病院で医療事務をしていると、いつか必ず出会うものがあります。
それは患者さんからの『クレーム』と『苦情』です。

この単語を聞いて喜ぶ人はいないと思いますが、接客・接遇を主とする世界であれば必ず着いて回るもので、それは医療事務の世界でも同じことが言えます。

医療事務が必ず出会う「クレーム」と「苦情」

さて、あなたは『クレーム』と『苦情』の違いをじっくり考えてみたことがありますか?

医療事務における苦情とは『実際に患者が感じている苦痛や不公平に対して、窮状を訴え、改善を求めること』であり、クレームとは『患者の思い通りにならないことに対して、改善以上の賠償や補償を要求すること』と解釈できます。

この二つは、病院の窓口に立つ以上、必ず出くわすものですが、似て非なるものです。

こんな苦情、あんなクレーム

実際に、私が体験した苦情とクレームをお話しましょう。
例えば、こんな窮状を訴える患者さまがいたとします。

「いつも診察が遅い。予約で来ても2時間も3時間も以上も待たされる。とても疲れてしまう。なんとかもう少し早く呼ばれないものなのか」

これは明らかに苦情です。

病院には病院のシステムや流れがあり、もしかしたら診察がスムーズにいかない事情があるのかもしれませんが、しかし、患者さまから見たら、それは病院側の都合というだけで、患者さん自身には関係のないことです。

予約で来院しているならば、その予約時間を考慮して病院は診察を行う努力をすべきであり、この訴えは苦情としてしっかり受け止めなければなりません。

では、こんな訴えはどうでしょう。

「次の予約の日時を忘れてしまったから病院に電話をして聞いた。調べるから少し待ってほしいと言われて保留のまましばらく待たされた。だから、その間の電話代を返してくれ」

これは驚いてしまいますね。
ですが、実際にあったクレームです。

到底、病院はこんな要求に対して「分かりました。時間をかけてすみませんでした。電話代です」と言って賠償をしたりはしません。

苦情には誠心誠意、クレームには毅然と

病院の落ち度として改善を検討しなければならないような苦情には、誠心誠意、対応しましょう。

例え、それがどんなに困難な改善であったとしても、私たち医療事務員は、ひとりでも多くの患者さまが満足してくれるサービスの提供を諦めてはいけません。

そのためには、まず患者さまの声をしっかり『聴く』ということが重要なのです。

そして、無理難題を押し付けてくるクレームには毅然と対応しましょう。
そうでなければ院内のルールを守ってくれている他の患者さまが不公平になってしまいます。

出来ないことは出来ない。

そうはっきりと伝え、院内のルールをきちんと理解してもらうように努めることも私たち医療事務員の役目なのです。

苦情とクレームは似て非なるもの。
ならば、その対応も似て非なるものです。