医療事務というお仕事は、医療費の計算だけではありません。

病院・クリニックにやってくる全ての患者さんが気持ちの良い医療を受けられるようにお手伝いすることもまた医療事務員の大切な役目なのです。

病院でタブーの言葉

病院における言葉使いとマナー~医療事務の患者接遇

私が医療機関で働き始めた頃、先輩から言われた言葉があります。
『患者さまに対して、行ってらっしゃいませ、は絶対に言っちゃだめ』

例えば、患者さんからちょっとした会話の流れで『今日はいつもより薬を多めに貰おうと思って来たのです。旅行に行くのですよ』と言われたとします。

こういうとき人は咄嗟に『それは楽しみですね。気を付けて行ってらっしゃいませ』と言いたくなったりします。

ですが、先輩は『そんなこと言っちゃだめ』と言いました。

行ってらっしゃい、という言葉は医療機関の中では『逝く』を連想させるため使ってはいけない、と言うのです。
私はとても驚きました。

先輩は、その患者さんに『どうぞ良いご旅行を楽しんでいらっしゃってください』と笑顔で言っていました。

そこまで気を配るのか、と私は愕然としましたし、むしろそこまでする必要があるのか?とも思いました。

しかし、先輩は言うのです。

誰が気にしなくても、私たちは気にしなければならない。
医療機関だからこそ『そこまで』するのだ、と。

病院には沢山のマナーとルールがある

こうした病院特有のマナーやルールは他にもあります。

例えば、施設によっては縁起が悪いため『黒』の着用を控えるように促すところもあります。
黒いシューズ、黒いカーディガン、黒いストッキングなどです。

他にも『お大事にどうぞ』ではなく『どうぞお大事になさってください』と言い直させるところもあります。

返事の仕方、会釈の仕方、使っていい言葉と使ってはいけない言葉。

行ってらっしゃいませ、と同様に、お迎えが来ました、という言葉も禁句です。

家族が迎えに来るのを待っているのですよ、と仰っていた患者さまのお迎えが来たとしても、その時は『ご家族が見えられましたよ』や『お車が到着しましたよ』という風に言い替えなければなりません。

どうですか? 
医療事務員として少し気持ちが引き締まってきましたか?

接遇の研修会や勉強会もあります

でも、そんなことどこで教えてくれるの、という心配される方もいるでしょう。

病院で勤めてみれば分かりますが、そういった研修会やマナー講座は沢山開講されています。
中堅規模以上の病院であれば院内で勉強会を行っているところも珍しくありません。

今やどこの医療機関も『病院は接客業』という意識で経営しているところが多いため、職員に対する研修は必須事項なのです。

あなたも、そういった研修には積極的に参加し、患者さまから信頼される素敵な医療事務員になってください。

ただ、個人病院だと大事だとは考えいても本人の意欲次第であったり、先輩からのOJTだけのこともあります。

これから医療事務を目指して勉強されるなら、接遇も学べるところを選ぶのが良いですね。